1984年Macが誕生した年、奇しくも自分は米国の大学に入学する。そしてそこで初めてApple IIeに出会う(Macに出会うのはそれから2年後のこととなる)。
で、そのころ大学のコンピュータ室にはIBM-PCとApple IIeがともに並んでいた。で、IBM-PCはMS-DOSというOSで動作していたのは、今となっては周知の事実。このMS-DOSは、当時ハードディスクの無い環境だったことも手伝って、何かの処理をしようとする度に左右のフロッピーを入れかえたり戻したりしなくてはならず、それもわけのわからん小難しい英語の指示に従わなければいけないわけで、出来の悪い二十歳前の日本人には超難解で、理解を遙かに超えたしろものだった。ゆえに自ずと疎遠になる(その行為は正解だった)。
一方Apple IIeは優秀だった。そのころからApple Worksというワープロ・表計算・データベースが一緒になっているパッケージがあり(それもフロッピー1枚に収まっている!)GUIという代物ではないものの、画面には大きな3種類のフォルダーが描かれて矢印キーで選択すれば、3種類のアプリの1つが起動するようになっていた。そのApple IIeのスペースキーの横にリンゴマークのキーがあり、それを押しながらNを押せば新しい書類が表れ、Sを押せば保存が出来たし、Pを押せば印刷が出来た次第。マウスがなかったApple IIeでは、いちいちメニューを呼び出して操作するよりも、ショートカットを知っておくとずっと便利だった。で、それから2年後に出会ったMac SE/30にも当然全く同じショートカットが継承されていることに気づくことになる。
ということで、自分とショートカットとの出会いは四半世紀前ということになる。
ショートカットと言えば、うちの娘のことを思い出した。娘がまだ幼稚園の時シェル型のiBookを使わせていた。CD-ROMに入っているディズニーのゲームをするためだ。で、ある日妻がそのゲームを終了しようとした時のこと。妻の肌が乾燥していたのかもしれない、トラックパッドの操作がうまくいかず、ゲームの終了ボタンになかなかカーソルを合わせることが出来ない。いらいらしながらカーソルを移動している妻を見た娘が、小さな左手でコマンド+Qを押してアプリを終了した時の唖然とした妻の顔が忘れられない。娘はいつも父親がアプリを終了させる時に使うショートカットを見ていて覚えており、妻はアプリ終了のショートカットを知らなかったのだ。
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