ホストファミリーへのお土産
先日、浪人時代の夏休みの話を書きました。
今回は、米国に留学した最初の夏休みの話です。
米国に留学した1年めの夏休みは日本に一時帰国をしました。そこで、お世話になっている米国のホストファミリーにお土産を買おうと考えていました。
ただ、二十歳前の青年の足りない頭では、どこで何を買ったら良いのか全く検討がつきません。
どうしたものかと悩んでいるうちにあっという間に夏休みが終わり、明日は米国への出発となりました。
「そうだ!外国の観光客が行く場所にいけば適当なお土産屋さんがあるはずだ!」と思いつき、外国人に人気のスポットである浅草に行ってみました。
確かに観光客目当てのお土産屋さんがあったのですが、自分が気に入った品物がなく、あっても高価だったりと、うまく見つかりません。
富士山と鳥居の湯呑
場所は正確に覚えていないのですが、商店街の端っこのほうに瀬戸物やさんがあって、その店頭にセール品の湯呑セットがありました。
デザイン、富士山と鳥居が描かれており外国の観光客が喜びそうなものなのですが、デザインが安直で安っぽい。おまけに長年売れなかったのか全体的に色あせてます。価格も1,000円と破格です。
自分では満足していないものも、他人にあげるものだし、時間もないし、これでいいやと、その湯呑セットを購入しました。
ホストファミリーと再会
米国に戻り、ホストファミリー宅を訪れ、そのお土産をプレゼントしました。
するとその湯のみセットを大変喜んでくれたのです。
ホストファミリーのご主人、奥さん、息子さん、娘さん全員が、順番にそのカップを手に取り、眺め回し、すごいすごいと絶賛するのです。
そして、その湯呑を使うのはもったいないし、多くの人に自慢したいと、なんと玄関前の飾り用のキャビネットの一番良い場所に飾ることになったのです。
そのキャビネットには高級なお皿とか、精巧なガラス細工の置物などが入っていて、1,000円の湯呑は完全に場違いなのです。
しかし、これだけ喜んでくれると「それ安物なんで飾るのをやめてください」と言うわけにもいかず、日本人特有の愛想笑いをうかべるだけ。内心は火が出るほど恥ずかしかったのを覚えています。
お土産を選ぶ際にはちゃんと吟味しないといけないという教訓でした。