遠藤です。みなさんこんにちは。
前回の果実の進化のお話はどうだったでしょうか?
果実にはサクランボのように1つの果実に1つの種子が入っている場合と、ピーマンとかサヤエンドウのように1つの果実の中にたくさんの種子が入っている場合とがあります。
今回は種子の数が多い場合を考えてみたいと思います。サクランボと同じやり方で、種子の数を増やしたらどうでしょう?
さて、これはどんな果実になるでしょうか?
いろいろあると思いますが、例えば、サヤエンドウの果実などはこのパタンですね。
今回は種子が1つのシンプルなサクランボのようなパタンから種子のたくさんはいっているサヤエンドウのようなパタンを導きましたが最近のいろいろな研究例を見てみると、種子の数は多い物から減少していく事も実際は多いようです。
ここでは、実際の進化では必ずしも1から多数へという傾向があるわけではないことだけ覚えておいてください。
さて、今度はキウイフルーツを見てみましょう
美味しそうな絵ですね、今回もイラストはあじこさんにお願いしています。
横にカットしたキウイをよく見ると、いろいろなことがわかります。種子・果実についていえば
1)種子は中心の方に偏って付いている。
2)種子と種子の間は白い壁みたいな物によって仕切られている。
ということがわかります。
さあ、このキウイはどういう風に進化してきたのでしょうか?
ヒントを得るためにキウイの花を見てみることにしましょう。
みなさんはキウイの花を見たことがありますか?
キウイの花はこんな風になっています。右下には若い果実が見えますね。
注目して欲しいのはキウイの花の雌しべの数です。
結構たくさんありますよね。この雌しべの数が、実はキウイの断面で見えた白い壁の数なのです。
キウイの花の写真の雌しべは、サヤエンドウでいうと
この矢印の部分に当たります。ですから、キウイはサヤエンドウ型の果実の集合すなわち
このようになっているのです。
サクランボと、キウイは大きさや色こそ違いますが、形はまるくて同じです。
でも、その仕組みはまったく違う物でした。出来上がった形を見ただけではその中身はわからないものです。果実だけではなくて私たちのまわりにもそんなものは多いのではないでしょうか?
次回はイチゴ、キイチゴの果実のでき方を見て行きたいと思います。
イチゴと、キイチゴは「美味しい部分」が全然違います。私たちはどこを食べて美味しいといっているのでしょうか?クリスマスケーキを食べたときに予習してみてください。私たちが今まで見てきた知識があれば、答えられると思います。
今年のモバイルガーデンはこれでおしまいです。
今年の7月からカウントが始まったカウンターも1万8千を超えています。ひとえに皆様方のご愛顧のたまものだと感謝しています。また来年もよろしくお願いいたします。
みなさまに、楽しいクリスマスと、すてきな新年がやってきますように。