kyokucho/宮田健の気分はブルースカイ:最終回 気分はブルー・スカイ

気分はブルースカイ

こんにちは、kyokuchoです。

さて、2003年の6月からおつきあいいただきました「気分はブルー・スカイ」ですが、今回でひとまずの区切りとなりました。dpost.jpというサイトでも細々とコラムをかいてはいましたが、ほぼ週刊の締め切りのあるコラム書きがまさか1年以上も続けられるとは思いませんでした(2回ほど落としましたが)。自分でもどのようなことを書いたのか覚えきれないこともあり、もしかしたら似たようなネタを複数回使ったかもしれません(笑)。ということで、今回は過去のコラムを振り返りながら、内容のアップデートをしていったりしましょう。


◆映画でつづるブルー・スカイ
当初のコラムでは、ディズニーという会社がアニメーション業界でどのような立場にいるのかに触れたものをいくつか書かせていただきました。特に日本における立場で言うと、偉大なるアーティストである手塚治虫氏との関係については今でも多大な負の影響を与えていると言わざるを得ません(第4回)。そしてディズニーのライバルとなるフィルムメーカーについて触れていましたが、そこで取り上げたジブリ、ドリームワークスはそれぞれ「ハウルの動く城」や「シュレック2」、「シャークテイル」などを創り出しております。また新たな脅威?としてワーナーの「ポーラー・エクスプレス」なども出てきました。しかしこういうリアル路線3DCGは「ファイナル・ファンタジー」で懲りたと思ったのですが意外な興行成績を残しているようでびっくりしています。また第5回で少し触れたブラッド・バード監督の「Mr.インクレディブル」も日本で公開され、監督のカラーが実に素直に出ている良作であったこともうれしいことでした。次回作の「Cars」は来年末公開予定が公開が2006年6月9日に延期(日本も7月15日)になったようで、ピクサーのこれからのパートナー選びには若干時間的余裕が出来ましたが、どのように転ぶかが注目されます。

関連コラム
 第4回 「パクリ系問題」問題
 第5回 フィルムメーカー「ディズニー」のライバル(その1)
 第6回 フィルムメーカー「ディズニー」のライバル(その2)
第20回 アニメーションはCGに置き換えられるか
第72回 過去と現代の融合


◆テーマパークでつづるブルー・スカイ
おそらくここが一番皆様の興味が集まるところだったかもしれませんが、なかなか期待に添える内容が書けませんでした(結局この連載中に東京ディズニーリゾートに行ったのは3回だけでした・・)。第29回ではお隣USJの「安売り施策」について触れましたが、USJはその後再度同じような激安フリーパスを発売、さらにパワー・オブ・ハリウッドのテーマを覆すかのように日本アニメのアトラクションを導入するという話を聞き大丈夫かなあ、と心配になった訳ですが、日本で根強い人気のスヌーピーのショーを導入するなど、もしかしたらテーマを日本風にアレンジし始めたのではないかとおもいました。
また、このカテゴリではパークで起きたいろいろなお話も取り上げさせてもらいました。特にパークでの顧客サービスというのはなかなか感動的なものが多く、ディズニー・テーマパークでの理念が浸透していることを感じました。コラム連載スタート当初は9.11の影響も残っておりテーマパーク業は低迷しておりましたが、今ではかなりの回復を見せています。個人的にももっとも注目している部分ですね。がんばれ!

関連コラム
第29回 感動を売る会社
第40回 夢が叶う時計屋さん
第56回 パークはみんなのために


◆音楽でつづるブルー・スカイ
実は当初はもっともっと充実させようと思っていたカテゴリだったりします。どうやらどこかで触れようと思ってはいたハワード・アシュマン(リトル・マーメイドや美女と野獣などの歌を作り上げた方。91年にAIDS発症により、美女と野獣の完成を見ることなく逝去)のお話は取り上げたつもりで書いてなかった様子・・・。個人的に楽しく書けたのは「kyokuchoも棚からひとつかみ」シリーズ。ご存じのようにマックメムGMしらいしさんの連載を借りたもので、特に第61回で紹介したプレイリストは今でもiPod miniで聞き続けているくらい惚れてしまっている曲達です。また、ディズニーランドの夜といえばこの曲、エレクトリカルパレードの歴史について書いた第70回についても是非多くの人に知って欲しい内容でした。

関連コラム
第18回 ウォルト・ディズニーとシャーマン兄弟
第43回 kyokuchoも棚からひとつかみ File No.001
第61回 kyokuchoも棚からひとつかみ File No.002 ジャズ・ディズニー編
第70回 音楽に歴史有り


◆ビジネスでつづるブルー・スカイ
実は、このあたりもいっぱい書きたかったカテゴリ。元々このコラムをマックメムさんで連載するきっかけとなったのは、代表猪川さんがdpost.jpにあったコラムを見てくれたからだったのですが、それがこの辺の「ディズニービジネス」に関するものだったんですね。なぜ顧客を「ゲスト」と呼ぶのか、従業員を「キャスト」と呼ぶのか。第12回や第64回を見ていただくと、ディズニーの基本理念をかいま見ることが出来るかもしれません。
また、日本における「ディズニー」の特殊性についても何回か触れることが出来ました。特にいまだにグッズが売れ続ける「マリー」ブームについては正直予測することが出来ませんでした。ディズニーが「ディズニーランド」から始まった日本ではありますが、お隣香港もまもなく香港ディズニーランドがオープンすることから、同じような傾向のファンが増えるのではないかと考えています。香港でだけ流行るキャラクターはどれなんだろう?

関連コラム
第12回 従業員/客ではいけない理由
第33回 ビジネスのための1冊
第34回 日本のディズニーは本当に安泰?(その1)
第35回 日本のディズニーは本当に安泰?(その2)
第46回 グッズだけが一人歩き
第64回 お客様は「神様」です


◆番外編でつづるブルー・スカイ
番外編としていくつか「それ本当にディズニーなのか?」的内容もこっそり取り上げてしまいました。どれもこれも今見るとかなりこじつけなニオイがしますね(笑)。特に反響が大きかったのは第57回と第65回。ちなみにプレゼント当選者の発表は発送をもってかえさせていただきました。多数のご応募ありがとうございました。当たった方、捨てないでね(笑)。そして大注目は第39回でしょう(笑)

関連コラム
第27回 赤いマジック・キングダムの謎!?
第37回 ディズニーマニアは引っ越しで困る
第39回 ディズニーランドハイ
第42回 武蔵野の秘境にMITAKA-SEAは実在した!
第57回 ディズニーテーマパーク、ちょっと怖い話
第65回 ディズニーマニアが引っ越しで困った結果
番外編  ブロンソンズ スーパーマグナム/熱き男たちによる、男たちのための一枚
     (4/1シャッフル企画参加)


◆ウォルトでつづるブルー・スカイ
最後は「ウォルト・ディズニー」というキーワードでまとめました。ウォルト・ディズニーというと、彼の創り出したキャラクターやビジネスが注目されますが、なるべく人間・ウォルトの姿も見てもらいたいと思っています。第66回で触れた「僕はもうディズニーじゃない」という言葉は私にとっては非常に心に刺さるものでした。
また、現在のディズニー社の状況について触れることがおおかったのですが、元CEOのマイケル・アイズナー氏と、創業者の甥ロイ・ディズニーとの確執についてもこの連載中に大きな動きがあったのも興味深かった点です。

関連コラム
第23回 ビジョナリーのいる会社、いなくなった会社
第24回 ディズニーを殺すのは誰か?
第66回 「ディズニー」と「ウォルト」の隔たり



さて、今回は過去の連載を振り返ってみましたがいかがでしたでしょうか。

ディズニーという会社は今も大きく動いており、過去の資産だけではなく新しいエンターテイメントを創り出す力はまだまだ衰えていません。そして、ウォルトやナイン・オールドメン達がまいた種は、ピクサーのジョン・ラセターやブラッド・バード、カルアーツ出身のティム・バートンなど多くのアーティストにより花開いています。日本ではディズニーというとミッキーマウスなどのキャラクターが一番に思い浮かぶかもしれませんが、この連載を通じてその裏にある会社や、ウォルト・ディズニーという人間が創り出した理念などに少しでも興味を持っていただければ、この連載、そしてそれを取り上げてくれたマックメムさんに取っても成功だったんじゃないかと考えています。

あなたの毎日が、ブルー・スカイであることを祈って。


では!
(kyokucho/宮田 健)

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