遠藤です。みなさんこんにちは。
HPと聞いて答えるもので年齢がわかる
私はHPと聞けば、「測定器」のメーカーというイメージを持ちます。
もうちょっと、若い人に聞けば、「パソコンとプリンタのHP」となるでしょうね。
さらに、若い人に先日聞いてみたのですが、そうしたらなんと、「HP?、ああ、ホームページね。遠藤さん、ホームページ作ったんですか!」といわれてしまいました。
測定器のHPはすでに、アジレントテクノロジーズという新会社になって、HPはまさに、パソコンと、プリンターの会社になりました。
HPを特徴づけていたもう1つの製品ジャンルに「電卓」があります。この電卓事業からHPは撤退することになったそうです。(追記:2002年?撤退、2003年再参入)
HPの電卓
あの独特なキータッチと、逆ポーランド法入力はたくさんのファンを持っていたと思うのですが、もう、HPは電卓を1台も作っていないし、作る予定もないそうです。
私は、普段、科学技術、金融電卓を使うような仕事はしていないのですが、私がまだ子供の頃、新宿紀伊国屋で見たHP-12Cという横型の電卓のデザインが大変衝撃的で、手に入れたいと思っていました。しかし子供が買うには価格が高く、手に入れることはできませんでした。
HPの電卓撤退の報を受けて、私は急いで、あちこちを当たってみたのですが、どこにも在庫がなく、ようやく私が初めてHP-12Cを見た「紀伊國屋書店アドホック店」で、在庫していることがわかり、買うことができました。
欲張って、HP-32SIIという科学技術電卓もほしいと思ったのですが、店員さんに聞くと、撤退の発表があった日に40台売れてしまってなくなってしまったとのことでした。
HPの電卓に関する掲示板をのぞいてみると、壊れるといけないので2台買っておきましたとか、自分の子供が大学に入学したら使えるように3台買っておきました。なんていう技術者の書き込みがありました。
まだ、小学生くらいの子供のために、自分の思い入れのある「電卓」を用意しておくなんていう話はほほえましいですね。
私は日本でないなら、と思いアメリカの在庫を調べてみました。ところが、なんと日本では定価8000円のHP-32SIIが、約3倍のプレミアをつけて売られてるようでした。
これには私もびっくりしてしまい、あきらめるしかありませんでした。
HP-12Cは15年以上前から販売されていて、新品で買ったHP-12Cでしたが、電卓の入っていた外箱は新しくなっていたものの、マニュアルは当時のままの装丁でした。
会社名も以前の横河・ヒューレット・パッカードとなっており、また表紙も歴史を感じますね。
逆ポーランド法
HPの電卓の特徴としてあげられる逆ポーランド法ですが、私はHP-12Cを買うまで、よく知りませんでした。買ってからしばらく使ってみて、逆ポーランド法はおもしろい文法だなと思いました。
実際どんな感じかというと、普通の電卓では
1,+,1,=、
という風にキー入力する計算をHPの電卓は
1,Enter,1,+
という風に入力するのです。
これは「1と、1を、たす」というように入力していくので、日本語によく似ているなと思いました。
また、
(3+2)×(4+6)を計算する時には普通の安い電卓では一回で計算できないのですが、逆ポーランド法で計算すれば、
3, Enter, 2, +, 4, Enter, 6, +, ×
のように入力すれば答えが出せます。
これも、「3と2とたし、4と6を足してそれぞれをかける」というように私たちの感覚と近いやり方で計算をすることができます。
逆ポーランド法計算機械開発計画
HPの電卓事業撤退で、「じゃあ、自分たちで、良いのを作ろう」という活動をはじめた人たちもいます。
世界一小さなカメラメーカーとして有名な安原製作所の安原伸さんが中心となってはじめている「逆ポーランド法計算機械開発計画」(http://www.rpn.jp/)です。
こういう人たちがいるのは、頼もしいですね。 私も行方を見守りたいと思っています。
紀伊國屋書店の人の話では、HP-12Cについては10月頃まで在庫があると思いますとのことでした。
電卓は今や100円ショップでも購入できますが、こうしたこだわりを持った電卓をいつまでも使えるといいですね