ラグビーワールドカップの視聴率
昨日のラグビーワールドカップの日本vs南アフリカの視聴率が発表されました。
平均視聴率が41.6%、瞬間最大49.1%だったそうです。
録画機器のネットが普及したことで視聴率が10%を超えることがまれな現代で、40%を超える視聴率というのはいかにすごいことか。
たぶん体感的には国民のほとんどがラグビー中継をみて、声援を送っていたのではないでしょうか。
中には仕事等の都合で生放送が観られずに、録画して後で観ていた人もいたでしょう。でも、たぶん圧倒的な人が生放送を観ていたと思うのです。
ではなぜ生放送を観たいのかと問われれば「一緒になって日本代表を応援したいから」という答えが返ってくるでしょう。これはごく当たり前なことように思われています。
でも、これはよくよく考えてみるとすごく不思議なことなんです。
だって、自分が応援してもしなくても試合結果は変わることがないのですから。
人はコントロールするのが好き
自分は大学院で「人が自然に行っている不合理なふるまい」について学んでいました。
その時の参考文献「幸せはいつもちょっと先にある」(ダニエル・ギルバート著)にこんなことが書かれています。
人のコントロールへの欲求はとても強く、コントロールしていると感じることでおおいに報われるため、人はコントロールのおよばないものまでコントロールできるかのようにふるまうことがある。
(中略)
(試合結果を知らないとしても)録画した試合を観てもつまらないのはなぜだろう。試合がもう終わってしまっているせいで、画面に向かっていくら応援しても、それが不思議な力でテレビからケーブルを伝わってスタジアムに届き、ゴールポストにすっ飛んでいくボールの軌道に影響を与える可能性が全くないからだ。
つまり、自分が日本代表を試合中に応援することで、試合をコントロールしているという幻想を持つことが出来、実際にコントロールした時とおなじような喜びを感じることができるというわけなんです。そして大きな試合であればなおさらこういう喜びが増すわけです。
これが生中継が人気の秘密なんです。
そう言われてみれば、ペナルティーゴールの時に”入ってくれ〜!”なんて祈って、ゴールが決まると祈りが届いた感覚になりますが、まさにこれなんですね。
で、何がいいたいかというと、こういうささいなこと(本当は幻想でも)こそが人の幸せを構成していたりするわけで、生きる上で大切なことなんです。
人は摩訶不思議です。