ユダヤ人強制収容所で起きた不幸が人類の貴重なデータになった
時々このブログで紹介していますが、【夜と霧】という本があります。
ユダヤ人の精神科医であったヴィクトリー・E・フランクル自身のナチスのユダヤ人強制収容所に収容された体験をもとに書かれた本です。
強制収容所内において、ヴィクトリー・E・フランクルや彼の同胞がどのように感じどのように振る舞ったかを克明に記しています。心理学の実験では決して得ることが出来なかったデータです。
彼らが体験したことはとてつもない不幸なことでしたが、その環境下で人はどう感じどのように振る舞うのかという貴重なデータを人類は手に入れることが出来ました。
京アニの犯人のやけどの手当
本日のニュースで、京アニ容疑者が全身90%に重度のやけどから回復をしたというものがありました。
その記事によると、
初期の治療で他人の皮膚の提供を受ける通常の治療法を採用せず、自己の組織を培養してできた皮膚や人工皮膚だけで救命されたことも判明。専門家は、全身の90%以上にやけどを負った重篤な患者への治療としては過去に例がないとしている。
別のニュースの記事によると、通常重度のやけどの場合他人からの皮膚の移植によって治療をします。今回はやけどの患者が多くいた事から被害にあわれた方への移植を優先し、犯人は移植をしない治療になったわけです。その結果うまく回復に至ったということでした。
もしこの犯人が一人でやけどを負っていたら医師は皮膚移植をしたはずです。しかしそれをしなかったのは、移植する皮膚が不足している上に、彼が犯人ゆえに最悪のケースとして死んでしまっても致し方ないという判断があったはずです。
しかし、その選択によって彼は回復に至りました。
これまで前例はなかったのは、皮膚移植よりも死亡する確率が高い治療法なので試していなかったのではないかと想像しています。
今回の成功が偶然なのか、何かの環境や条件が良かったのか、それとも実は皮膚移植よりも成功確率が高い治療方法だったのかなど、今後検証されることになるはずです。
今回の事件は本当に不幸なことでしたが、犯人が貴重なデータを残してくれたのであればこれからの人類に対する貢献だったようにも思います。
もちろん、犯人が事件を犯して良かったなんてことは全く言うつもりはありません。