本多孝好のWILLを読み終えました。
様々な境遇の人々を軽快な文体とストーリーで展開し、最後で結び会わせて全てのもやもやを解決したのは本当に見事です。
あらすじ
高校時代に両親を揃って亡くし、社長として葬儀屋を引き継いだ森野。その森野の葬儀屋に、不思議な依頼が飛び込んでくる。
先代より葬儀社で働くベテラン社員である竹井や、アメリカから時折電話をかけてくる幼なじみの神田が森野を支える。
日常にある幸・不幸
派手な事件は起きない。
登場人物はいたって普通の人々。
その日常にある生と死、愛情と憎しみをさわやかに表しています。
他の本多作品もそうだけれど、さりげない日常の行動から人が何を感じ、何を思っているかという、着眼点と洞察力がすばらしいです。
それに出てくる人々が皆暖かい。葬儀屋という職業柄、死を扱う話は避けて通れないけれど、決して暗い話で終わらせないところに本多孝好のセンスの良さを感じてしまいます。
で、最後の最後で泣かされました。
2009年お薦めの1冊です。
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