《映画料金が高い?》映画館は値上げよりも3D/4D/プレミアムシートの重要性を感じている

4D映画
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日本の映画料金

ねとらぼに 「日本の映画料金は海外よりも高い」って本当? 米国との比較で見えてくる“どの映画館も1800円”のおかしさ という記事がありました。

「日本の映画料金は海外よりも高い」って本当? 米国との比較で見えてくる“どの映画館も1800円”のおかしさ
TOHOシネマズが3月18日、映画鑑賞料金の値上げを発表。6月1日から一般鑑賞料は1800円から1900円、ファーストデイやレディースデイ(現行料金1100円)は1200円と、それぞれ100円ずつ値上げすることを明らかにしました(関連記事)。これを受け、ネット上では「日本の鑑賞…

この記事の論点は2つあって

  • 米国等よりも高い映画料金が100円値上げしたらさらに高くなる
  • 日本の都市も地方も均一料金なのはおかしい

ということです。

価格が高いという点において、日本では25年ほど値上がりがしておらず、一方米国の映画料金は年々値上げされており、日本との価格差は300円ほどになっているということで、日本だけがずば抜けて高いわけではないようです。

一方で都市と地方で最低賃金が異なるのに、映画料金が均一料金なのは不公平感があると訴えており、ツイッターでも同調する意見が多いようです。
 

シネコンを見放題にしてみては?

タイムリーなことに、昨日シネコンについての話を書きました。

シネコンで見放題にしてみたら、映画館としてはトータル的にお得なのではないかと提案しました。

そして、映画料金が高いという理由で映画離れを起こしている可能性があればこれが1つの解決案になるかもしれません。
 

価格を決めるロジック

映画館としては、100円値上げをすることで増収を見込んでいるわけです。

つまり1800円を1900円にするということは、約5.5%の値上げとなります。それに対して値上げしたので映画を観に行く人が減り、5.5%以上映画離れしてしまったら増収になりません。

例えば、1日1万人来場者がいる映画館が1800円の価格であれば、売上は1800万円です。
一方で、映画料金が1900円になった場合、これまでの1800万円以上の売上にするためには9473人以上が来てくれなければ意味がありません。

簡単な話をすると、料金x人数が最大になるような価格体系にすれば一番売上があがるということになります。
 

価格決定のメカニズム

この価格を決める話は以下書きましたが、ここでも簡単に触れたいと思います。

この売上を最大にするために、料金x人数を最大にしたいわけですから、下の図にあるような四角の面積が一番大きくなるような価格を目指します。

需要供給曲線

ここでは緑の枠が最大ですから、価格が1900円のほうが1800円よりもこの緑色の枠に近づくと経営者は判断したということになります。最近はインフレ傾向ですのでこの判断は正しいかもしれません。
 

付加価値の創設

ところがこの100円の値上げで緑の枠を最大にする以上に、もっと大切なことがあります。

それは、映画館はまだまだ取りこぼしている観客がいるということです。それも、お金をもっと使っても良いと考えている映画館にとっては大変ありがたいお客様(オレンジの○内)達からお金をもらっていない可能性があります。

需要供給曲線の取りこぼし

この観客に対して映画館は気づいており、積極的に付加価値をつけるように努力しています。

例えばプレミアムシートを作ったり、3Dや4Dというような通常版以外の上映方式を取り入れたりしています。
 

低価格化にならないわけ

一方で、映画は観たいけれど現在の映画料金が高いので観られない層がいます。

需要供給曲線の取りこぼし

つまり映画料金が安ければ観たいという観客(オレンジの○内)です。

以前であれば3本立の名画座みたいな小さな映画館がそういう層の受け皿になっていましたが、最近は完全に廃れてしまいました。

廃れた理由としては、この層はHuluとかNetflixとかAmazonプライムというような動画見放題サービスに加入して映画を観たほうがお得だと判断しているのだと思います。

ということで、映画館が繁盛する方法は、もっともっと付加価値を上げていく戦略がベストのようです。

 
 

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