ベイスターズ、ドラフト1位の意外性
ベイスターズのドラフトに関して、こんな記事が載っていました。
DeNAファンなら知っていた? ドラフト会議イベントで参加者1/4が1位指名を的中
ライブビューイング参加者約200人のうち50人が「1位・森」予想
(中略)
地元・横浜にある桐蔭学園高の森敬斗内野手を単独1位指名。驚きの声も上がったが、どうやら生粋のベイスターズファンにとっては予想の範囲内だったようだ。
ひとりひとりはアホだけど、皆が集まると賢くなる集合知
この話を聞いて、ジェームズ・スロウィッキー著「みんなの意見は案外正しい」の集合知について思い出しました。
イギリスの人類学者で統計学者でもあったフランシス・ゴールトンの話から始まる。彼は彼のいとこのチャールズ・ダーウィンの『種の起源』に影響を受け、人の才能は遺伝で決定すると信じ、人為選択を適用すればより良い社会ができると信じていた。
ある時彼が畜産の見本市に出向き、そこで雄牛の体重を当てるコンテストを実施した。参加者は800人で、その中には専門家も全くの素人も様々な人々が含まれていた。集団とは「少しの優秀な者と、それよりちょっと多い凡庸な人と、多数の愚民によるもの」と彼は考えていたので、このコンテストの予想の平均値は実際の雄牛の体重とかなりかけ離れるだろうと予想していた。ところが予想の平均値と実際の重さは1kgもズレていなかったことが判明する。「みんなの意見」はほぼ正しかった。
つまり、ひとりひとりの意見は様々なのだが、全員をあつめて平均をとってみると本来あるべき姿見えてくるということです。
また、著者は以下の事例を示しています。
スペースシャトル・チャレンジャー号が爆発した時に関係会社全ての株価が瞬時に暴落した。その中でモートン・サイオコール社の株価の下落幅が一番大きかった。事故当日にサイオコール社が原因であるという発表は全くなかった。またいくつかのうわさはあったもののサイオコール社の責任をうかがわせるものもなかった。
それどころか「事故の原因を特定する手がかりはない」とニューヨーク・タイムズは報道している。しかしモートン・サイオコール社の株価が市場では突出して下落した。市場はサイオコール社の責任だと判断したようだった。
そして6ヶ月後調査委員会は初めて原因はモートン・サイオコール社が製造したOリングの問題であることを発表した。
これ本当?と疑問を持つところなのですが、ベイスターズのドラフト1位指名選手を前もって予想してもらったところ来場者全体の25%が、桐蔭学園の森内野手と回答したところ見事あたったわけです。
ま、ベイスターズは内野手が手薄であることと、桐蔭学園は地元の学校ですから、ファンは期待を込めて走攻守に長けている森選手を予想をしたということなんでしょうけれど。
集合知は果たして本当なのか?それとも疑似科学なのか?ちょっと興味深いところです。