《八ッ場ダム》使われてはじめてありがたみを知る。でも津波の堤防は使う機会がないほうが幸せ。

八ッ場ダム

昨日、堤防の強化費用は無駄ではないということを書きました。

今回の台風被害で一躍脚光を浴びたのが八ッ場ダムです。八ッ場ダムのおかげで洪水が防げたのではないかと話題になっています。

民主党政権時には無駄だから建設を中止するというのが公約でしたが、自民党政権が工事を再開し最近になって完成しました。
 

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サンクコスト効果と八ッ場ダム

八ッ場ダムというと、行動経済学界では、サンクコスト効果の例えとして取り上げられるプロジェクトでした。

サンクコスト効果とは”すでに投資してしまって取り戻すことが出来ない費用(埋没費用)を惜しむあまり、今後損失につながるにもかかわらず引き続き投資し続けること”を言います。

もっとも有名なサンクコスト効果の例は、コンコルドの開発プロジェクトで、コンコルドに多大な投資をし開発している途中、開発がうまくいったとして商業的には利益が出ないと判明したにもかかわらず、開発を続けて損失を大きくしたという話です。

コンコルドと同様に「八ッ場ダムは多大な建設費用をかけており、建設をやめてしまったら投資した費用が無駄になるという理由で建設が続けられている」と民主党は判断し、建設中止を公約にかかげていたわけです。

しかし、その後自民党が政権を取り戻し、引き続き八ッ場ダムの建設を再び開始し、最近になってやっと完成したわけです。

そして、民主党政権時にムダと判断された八ッ場ダムが今回の台風で機能したわけです。

ダムの効果があったという意見、無かったという意見それぞれありますが、詳細な検証が行われるはずなので後日はっきりするでしょう。

ただ、ダムいっぱいの水量が下流にいかなかっただけでも何かしらの効果があったはずですから、八ッ場ダムへの投資がムダでなかったでしょう。
 

津波の堤防

東北の震災の後、大きな津波にも耐えられるような堤防を建設しています。

もしかすると二度と大きな津波は来ないかもしれません。そうすると堤防はムダになってしまいます。でも、津波が来るよりは、来ないほうが幸せです。

本来、防災の建築物はそういう感じでいいのだと思います。


 
 
 

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